運搬用ドローンで苗木を運んでみた

運搬用ドローンで苗木を運んでみた

運搬用のドローンは農業で先行していて、農薬散布のためにドローンが既に活用されてます。

これまで林業のドローン活用としては、主に空撮での山林調査がメインでした。

このところ植林の苗木運搬用として利用されはじめてます。

造林の植え付け作業には苗木運搬があり、急傾斜地で10kg以上の苗木袋を運ぶ作業は重労働で危険です。

苗木数量が多かったり急傾斜の現場では、苗木運搬だけで一日が終わることもあります。

これでは、苗木を運ぶために消耗してしまい、植え付け作業する時には疲れ果ててしまいます。

近い将来に急傾斜地の苗木小運搬は、ドローンで運ぶのが当たり前になることを見据えつつ、各機関に協力を依頼して、留萌地方で林業苗木運搬をドローンで運んでみました。

実際に苗木運搬すると課題が…

運搬用ドローンの運行状況のトラブルや課題を見つけたいため、敢えて1000m程の長い距離で運行してもらいました。
運搬用は機体が大きい

1000m程度の長い距離を飛ばしてみた

今回は運行状況のトラブルや課題を見つけたいため、敢えて1000m程の長い距離で運行してもらってその状況を観察しました。

実際の苗木運搬ドローン利用は、もっと短い運搬距離での利用が想像されます。

使用した機体はウインチ搭載の林業用運搬ドローンで、最大8kgの運搬が可能とされてます。

目視は500m程度が限界か?

植林地の天候は快晴で空気は澄んでいましたが、目視で1000m先がなかなか見えにくいものでした。
山林では意外とドローンが見にくい

この日の植林地の天候は快晴で空気は澄んでいましたが、目視で1000m先がなかなか見えにくいものです。

肉眼では500m程度にしないと、山林内ではドローンを早くハッキリと認識できません。

山林内では濃霧になることも多く、目視に頼るには見失う恐れもあり、危険が伴うのでカメラを多用することになるでしょう。

操縦者と苗木受取作業員との連絡には無線が必要で、携帯電話が通じない山中ではインカム等が必需品となります。

機体が大きいので風に弱い

運搬用ドローンは機体が大きく、微風であっても直進して飛ばすことが難しいようです。
微風でも影響が…

法律で一定の強風では操縦禁止ですが、運搬用ドローンは機体が大きいので微風であっても直進して飛ばすことが難しいようです。

いつも風が強い留萌でこの日は微風でしたが、着陸時や直進時に風に流されてドローンのオペレーターは修正が難しいとのことでした。

運搬目標地点上空でホバリング位置を修正するために苦労し、荷下ろし地点でかなりの時間ロスがありました。

ドローン運搬時に苗木袋を使ったため、風の影響を受けやすかったです。

袋ではなくロープで縛ったりすれば、風の影響が少なかったのかもしれません。

いずれにしても、思っていたより風の影響を受けやすくてこれからの課題になりそうです。

積み荷を切り離して落とすことができない

ドローンが上空で荷物を切り離して落下させることは法律で禁じられてます。

ケーブルを長くしたり、ウインチで苗木を下ろして人力でフックをはずして着脱することになります。

苗木袋の取り外しに作業時間が長く取られてしまい、荷物の着脱作業時間の短縮も課題になりました。

風の影響と危険が伴うので、ケーブル長さはあまり長くはできないですが、着脱効率を考えて改善しなければなりません。

目標地点の準備が必要

ドローンで苗木を下ろす目標地点を発見しやすく、ハッキリした色で表すように準備することが必要だと感じました。
急遽、ブルーシートで

苗木運搬を数往復すると、やはりドローンの移動速度はかなり早いと感じます。

くねくね曲がった林道を考えると、スゴさを実感します。

快晴でもあったので屋外ではタブレットの画面が見にくく、目標地点を見つけるのにオペレーターは苦労していました。

屋外では液晶画面が見にくいのです。

苗木を下ろす目標地点を発見しやすく、ハッキリした色で表すように準備することが必要だと感じました。

今回のドローン苗木運搬で考えたこと

留萌地方の山林は標高差が大きく、植林地の苗木運搬は過酷で造林作業員の苦痛を軽減するために、苗木運搬にドローンが活用される可能性が十分あると思います。
画像で見るより傾斜がキツいです

山林の標高差が大きい四国地方では、産業用ドローンを利用して、苗木の運搬が盛んに行われています。

広大な北海道においては、標高差が少なく傾斜が緩やかな地形の山林もあります。

植林地には立派な林道が敷設されていることも多く、そんな所では苗木の運搬に関して苦労はありません。

近い将来、産業用ドローンの苗木運搬が北海道各地すべてで行われる事はないでしょう。

ドローンでの苗木運搬は急峻な地形に限られる

日本国内の山林は急傾斜地が多い。植林をするうえで苗木運搬が課題。

留萌地方の山林は標高差が大きく植林地の苗木運搬は過酷です。

植え付け作業そのものはロボットが普及するまで人力のままだと思います。

産業ロボットは現場にいきわたるまで、まだかなりの年数がかかるでしょう。

植え付け作業に専念するために運搬を機械化して効率化することは急務です。

苗木運搬の苦痛を軽減するために、ドローンが活用される可能性が十分にあります。

電池データがわかった

電池性能は一回の往復で航行距離2kmは問題ないですが、2往復できませんでした。

電池性能は一回の往復で航行距離2kmは問題ないですが、2往復できませんでした。

快晴微風でしたが苗木の着脱に時間がかかり、1単位のバッテリーで航行距離は3kmが限界と理解できます。

電源がない山林内でのバッテリー交換計画は、作業性を上げるために重要です。

積荷重量と運搬距離により電池交換と充電を計画に入れるためのデータがとれました。

運搬物の積み込み、切り離しを円滑にすることが大切

ドローンの移動は速い。積み荷の着脱が課題。
移動速度はさすが

ドローンでの移動はさすがに速いなと感じました。

今回は苗木の積み込みと離陸、着陸と苗木の切り離しに時間を要しました。

人間のオペレーターでは限界があると思います。

位置を入力して正確にホバリングできるプログラムがあれば、積み荷の脱着は速くなり、改善できるでしょう。

ドローン操作はオペレーターが熟練する前に自動運転プログラムが普及しそうな気がしますね。

苗木植え付け作業の効率化に

苗木植え付け作業の効率化にドローンを
重い苗木袋を担いで登る

ドローン苗木運搬を経験してみて、検討しなければならないことがいくつかあります。

  • 運搬距離を500m以下に短くする
  • 風の影響を受けないように高度を下げる
  • 風の影響を考えて苗木袋を検討
  • 積み荷の脱着を円滑にする
  • 晴天時は、液晶画面が見にくいので改善する
  • 電池性能から交換を計画的にする

植え付け現場の最も標高が高い位置に、何度も往復して苗木を運搬する作業に使うのが適していると思われます。

植え付け作業自体は、造林作業員の人力に頼らなくてはいけません。

そのため、苗木の運搬作業など造林作業員の重労働を少しでも軽減させ、植え付け作業に集中できるようにする努力が必要です。

今後、産業用運搬用ドローンの機体性能はどんどん向上していくでしょう。

植林の植え付け作業の効率を高めるために、現場の使い方を考える当社側でも試行錯誤しなければなりません。

今回の試用で近い将来、林業にも必ずドローン革命が来ることを確信しました。

苗木運搬が当たり前になるのを見据えて、今からその準備をしておく必要があります。

苗木運搬は春か秋の植え付け時期に限られますので、次回も小さな課題を少しずつ、解決しながら挑戦していきたいと思います。

北海道の造林の仕事とは

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