下刈り作業とは?

林業の下刈り作業とはどんな内容、目的?

林業作業の一つに「下刈り」という作業があります。

下刈りは林業従事者なら誰でも知っていて、植林に欠かせない大事な仕事です。

植えたばかりの苗木は、厳しい自然の中で勝手に育ってくれません。

植樹は注目されますが、そのあとの地味な育林仕事がないと苗木は順調に成長しません。

植付けした後、必要な育林作業の代表格が下刈りです。

そんな下刈り作業について説明します。

なぜ、下刈りしなきゃいけないのか?

春には雑草や笹が1m以上に一気に生長し、植えた苗木があっという間に草に包まれてしまいます。
植えた直後はいいが…

植林のために植えた苗木は、高さ50cm以下です。

木は成長が遅いので、翌年も木の高さ(樹高)はあまり変わりません。

そうこうしているうちに、春には雑草や笹が1m以上に一気に生長します。

前年に植えた苗木は、あっという間に草に包まれてしまいます。

太陽の光が必要な苗木

夏を迎える頃には雑草が繁茂して、2m近くまで生い茂ることもあります。

成長した笹や草木の根元は、薄暗いままです。

そうなると、植樹した苗木はまだ低いので、太陽の光が届かず光合成ができません。

成長できずにやがて枯れてしまいます。

下刈り作業は、植えた苗木に太陽の光を入れるため、雑草を除去することが目的です。

下刈り作業の内容

下刈り作業では、園芸で使われる草刈り機よりもパワーがある刈り払い機を使います。
下刈り作業は刈り払い機を使う

では、どのように苗木に太陽の光を入れるのでしょうか。

単純ではありますが、周辺に繁茂している雑草を取り除くというだけです。

山林の雑草や笹は、茎が太かったり硬くて強い種類もあります。

古くから植林には下刈り作業が行われてきました。

以前は手鎌を使っていましたが、現在は主に刈り払い機を使って下刈り作業をします。

林業で使う刈り払い機

山林では硬くて強い笹や竹、幼木、ツル類もあります。

下刈りでは園芸で使われる草刈り機よりも、パワーがある刈り払い機を使います。

刈り払い機の刃は、鋼鉄製のチップソーを使うことがほとんどです。

ナイロンカッター(ナイロンコード)を使うと消耗が激しく、あっという間に交換しなければなりません。

近年、増えてきた電動はあまり使われず、4ストロークエンジン式よりも古くから使われる2ストロークエンジン式が使われています。

それだけ山林の草刈りは、パワーが必要だという事です。

下刈り作業の注意点

刈り払い機を使った下刈り作業で、注意しなければならないことは何でしょうか?

いくつか大切なことがありますが、植林木そのものを傷つけないようにしなければなりません。

雑草と見分けにくい植林木

誤って植林した苗木を伐り倒してしまうと、元も子もありません。
見分けにくい植林木

下刈り作業の時期は新緑の季節です。

雑草も苗木も新芽をつけていて、見分けにくいのです。

誤って苗木を伐り倒してしまうと元も子もありません。

基本的に植林は列状に植え付けられています。

植えて翌年は植林木も小さいので、注意して刈り払う必要があります。

足元に注意

下刈り作業では、足元の雑草の中に蜂の巣があったりするので注意しなければなりません。

当然ながら山林は斜面なので、足元に気をつけて作業しなければなりません。

下刈り作業に夢中になると、段差や凸凹、急斜面に気づかず、転倒などにつながります。

足元の雑草の中に蜂の巣があったりします。

猛暑が続いた2021年は、蜂の被害が多かったです。

巣が近いと蜂が飛び回っていることが多く、周囲を注意深く観察しながら作業する必要があります。

キックバックに注意

刈り払い機は朽木や太い笹に刃が当たると、キックバックという跳ね返りがおきます。

操作不能になって苗木を傷つけたり、周囲に危険が及びケガの発生にもなります。

操作方法や計画手順を確認して安全に作業をすすめます。

夏の暑さに注意

下刈り作業は身体を冷やす空調服を使ったり、休憩回数や給水をこまめに計画する。
空調服は必需品に

下刈り作業は、夏場の暑い時期です。

危険を伴うので作業に集中していると、暑さを忘れて給水せずに脱水症状を引き起こしたり熱中症になります。

身体を冷やす空調服を使ったり、休憩回数や給水をこまめに計画し順守することが大切です。

下刈りは植林後2~3年で必要なくなる

植林した木が雑草の背丈を超えるようになれば、下刈り作業しなくても陽の光に当たることができます。

そこまで生長すれば、雑草に負けずに太陽の光を受けることが可能となります。

苗木が自ら光合成できて、雑草に負けなくなります。

これ以降は、下刈り作業は不要になり人の手がかからなくなります。

地域や樹種、地形によりますが、苗木は1~3年程度で下刈りが不要な樹高に育ちます。

あとは苗木の無事な成長を祈るのみです。

植えるだけでは森が作れない

苗木は弱くてすぐに枯れたりします

下刈り作業は手間がかかり面倒な林業作業のひとつです。

苗木は植付けてからすぐに枯れてしまったり、1年で立ち枯れすることもあります。

下刈りしようと現場に入ると、すでに枯れている苗木も目にします。

倒木の下敷きになったり、野生生物の食害に遭っている苗木もあります。

下刈り作業は、苗木の状態を点検することでもあります。

その時に障害を取り除いたりして、初期の生長を助けることができます。

注目されるのは植林だけですが…

植林・植樹の「植える」ことだけ注目されたり報道されます。

植えた後の地味な下刈り作業が、成長軌道にのせる大切な造林作業のひとつなのです。

そのほかにも根踏みやテープ付けなどのホントに地味な造林作業があります。

植林には皆さんが知らない目立たない作業があり、手抜きすると植栽しても森林育成にならないことを理解いただけるとうれしいです。

林業はキツイって本当?

タイトルとURLをコピーしました