強風豪雪で有名な留萌地方の丸太生産

強風豪雪で有名な留萌地方の丸太生産

雪深くて、一年中強風が吹きつける北海道北部の日本海側の留萌地方。

これだけ自然環境が厳しいと、山林経営が難しいとされてます。

しかし、留萌地方には国有林や道有林など公有林の面積が広く、植林した人工林も多くあります。

国土地形をみると国内では留萌地方よりも厳しい地方もあります。

そんな条件でも立木から丸太生産している地域も多くあります。

留萌地方の丸太生産の状況についてまとめてみました。

日本海側の留萌地方の立木

北海道北部は、積雪深さが150cmを超える地域です。

毎年、10月末から4月頃までは、厳しい寒さと雪に閉ざされます。

エネルギーが乏しい昔は、なかなか山奥まで進めなかったと考えられます。

しかし、その影響なのか奥地には手つかずの天然林もあります。

生長するまで100年以上かかる広葉樹林も存在します。

ミズナラやメジロカバなど貴重な広葉樹林

ミズナラやメジロカバなど貴重な広葉樹林

価値が高い「硬い木」のナラ、イタヤも留萌管内には自生しています。

大木になると、丸太径100cmを超える立木もあります。

ミズナラはオークの仲間で、ウイスキーの樽の原料として注目されています。

イタヤも硬い木で古くからピアノなどの楽器材の原料として有名です。

メジロカバなどのカバ類も天然林に多くあり、突板や板材の原料として高値で取引される樹種です。

中国人の一部には和室を好む人もいて、広葉樹業界では和室復活を期待したいところです。

マツ類も豊富

エゾマツやトドマツ、カラマツも人工林で生産されてます。

古くから炭坑や鉄道建設のため、木資材需要があって立木生産が盛んでした。

その時に植えられたマツ類も、伐採適時に到達している人工林が多くあるとされてます。

厳しい地形と豪雪

日本海側の留萌地方は積雪深が150cmを超え、暴風雪でも知られる冬が厳しい地域です。
日本海側の留萌地方は冬が厳しい地域

日本海側の留萌地方は積雪深が150cmを超え、暴風雪でも知られる冬が厳しい地域です。

機械力がなかった昔の伐採跡

日本全国の地形に見られますが、留萌地方のような日本海側は山の地形が急傾斜です。

過去の伐採の跡をたどると、重機もなく機械力が乏しいため、伐採しやすい箇所から木が伐られてます。

本当は奥から伐り進めた方が良い現場も、致し方なく伐採しやすい所だけ手をつけてます。

人馬だけでは造材に限界がありました。

機械力がない時代に山奥まで入って木材を伐り出すには、困難な条件が揃っていたのです。

横にのびていく木

強風の影響で木の高さ(樹高)が低く、木の曲がりやねじれも大きいのが特徴です。
木が大きくなれない強風地

沿岸部から一定の距離の山林にある木は、低木が多くなります。

強風の影響受けるせいで木の高さ(樹高)が低く、木の曲がりやねじれも大きいのが特徴です。

年中、強風が吹き付けられている海岸線の立木は盆栽のようです。

上へ伸びるのではなく、横に這うように木が生長しています。

価値が低くなる海に近い山林

製紙原料やバイオマス発電用の丸太
留萌では曲がった木も多い

そのため、製材工場で使う丸太をつくろうとしても、曲がりがキツくてなかなかできません。

建築資材で必要なのは、まっすぐな柱や梁となる木材です。

粉砕するのでまっすぐな丸太でなくても良い製紙原料や、バイオマス発電用の燃料としての出材比率が高くなってしまいます。

そうなると、山林から搬出される全体の丸太単価が低くなります。

平均単価が下がることによって山林から出る丸太の売上が下がると、山林の価値が低下します。

人工林の放置はできない

人工林の放置が土砂災害を引き起こしやすくなるのは、広く知られているとおりです。

人の手で植林した以上、間伐、主伐、植付と人工林生育の流れを止めるわけにはいきません。

先人が植林した山林を放置するのは、資産価値の毀損と自然災害の両方をもたらします。

立木生育環境の厳しい地域では、無駄な作業や動きを抑えて効率的な林業作業が求められています。

養殖漁業の成長のためにも…

海岸線の価値が低いといわれる山林も、海の環境に大きな影響を及ぼしているといわれてます。
注目される養殖魚業に欠かせない森林育成

海岸線の山林価値が低いと言われますが、海の環境に大きな影響があるといわれてます。

漁業復活のために山林育成をする動きが加速してきました。

近年は留萌海岸部でも”群来”と呼ばれるニシンの産卵が見られ、漁獲高もわずかながら上がってきています。

稚魚放流など養殖努力の結果と思われます。

海の自然環境を守るためには、河川を通じて流れ込む栄養をはぐくむ山林育成が必要です。

養殖漁業に欠かせない森林育成

近年は「獲って終わり」の漁業から「育てる漁業」の取り組みが注目されてます。

大自然がある北海道においても、サンマや秋サケの不漁は大きな食料問題です。

世界的にもこれからの漁業は放流や養殖中心となるでしょう。

養殖環境を整えていくためには、河畔林や海岸線の山林育成が欠かせません。

海に近い林業がすべき仕事

海に近い山林は木の高さがのびにくく、生産量に限界があります。

広大な北海道では内陸面積が広いわけで、その観点から沿岸部は丸太生産性が低いとされてます。

木材業界から見ると一見、不要に見える「海」ですが、近年のSDGsの自然環境に配慮する活動に森林育成が欠かせません。

山林の環境が良くなれば海が豊かになるという考え方は、皆さんがご承知のとおりです。

海水温上昇や獲りすぎ等の原因もありますが、漁獲量不調は山林の育成に取り組む結論となるでしょう。

見直される海運ルート

留萌港は日本海側の本州の工場へ木材を運ぶための海運拠点
留萌港に積まれてるトドマツ丸太

木材は重量に比べて単価が安い資源のため、物流コストを真剣に考える必要があります。

これまで留萌港はロシア木材などの「輸入木材のため…」とされてきました。

しかし、現在は道北地方の木材丸太を、本州日本海側の工場へ搬出するための海運拠点となりつつあります。

留萌地方は製材工場が少ないので、「丸太を生産する必要はない」といわれることもありました。

意外にも海運で運ばれて本州で丸太が使われていることも紹介しておきます。

木を伐ってはいけない?積極的に使う?

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