強風豪雪で有名な留萌地方の丸太生産

強風豪雪で有名な留萌地方の丸太生産

冬は雪深くて年中強風が吹きつける、北海道北部の日本海側の留萌地方では、山林経営が難しいとされてます。

しかし、留萌地方には国有林や道有林など公有林の面積が広く人工林も多くあります。

日本全国の国土地形をみると留萌地方よりも厳しい環境でも、立木から丸太生産している地域も多くあります。

留萌地方の丸太生産の状況についてまとめてみました。

日本海側の留萌地方の立木

北海道北部は積雪深さが150cmを超える地域で、昔の機械力ではなかなか山奥まで進めなかったと考えられます。

しかし、そのおかげか奥地には手つかずの天然林もあり、生長するまで100年以上かかる広葉樹林も存在します。

ミズナラやメジロカバなど貴重な広葉樹林

ミズナラやメジロカバなど貴重な広葉樹林

昔から価値が高い「硬い木」のナラ、イタヤも留萌管内には自生しており、大木になると丸太径100cmを超える立木もあります。

ナラはオークとも似ていてウイスキーの樽の原料として再び注目されていて、イタヤは硬い木で古くからピアノなどの楽器材の原料として有名です。

メジロカバなどのカバ類も天然林に多くあり、突板や板材の原料として高値で取引される樹種です。

中国人の一部には和室を好む人もいて、広葉樹丸太取引をする業界では和室復活を期待したいところです。

マツ類も豊富

在来種のエゾマツやトドマツ、カラマツも人工林で生産され、古くから炭坑や鉄道建設のため需要が豊富で、立木生産が盛んでした。

その時に植えられたマツ類も、伐採適時期に到達している人工林が多くあるとされてます。

厳しい地形と豪雪

日本海側の留萌地方は積雪深が150cmを超え、暴風雪でも知られる冬が厳しい地域です。
日本海側の留萌地方は冬が厳しい地域

日本全国の地形に見られるのでしょうが、留萌地方のような日本海側は、山の地形が急傾斜になっている箇所が多いと思います。

過去の伐採の跡をたどると、昔は重機もなく機械力が足りないため、伐採しやすい箇所から立木が伐られてます。

さらに日本海側の留萌地方は積雪深が150cmを超え、暴風雪でも知られる冬が厳しい地域です。

簡単に山奥まで入って木材を伐り出すには、困難な条件が揃っていたのです。

横にのびていく木

強風の影響で木の高さ(樹高)が低く、木の曲がりやねじれも大きいのが特徴です。
木が大きくなれない強風地

沿岸部から一定の距離の山林は、強風の影響受けるせいか木の高さ(樹高)が低く、木の曲がりやねじれも大きいのが特徴です。

年中、強風が吹き付けられている海岸線の立木は”盆栽”のように上へ伸びるのではなく、横に這うように木が生長しています。

価値が低くなる海に近い山林

製紙原料やバイオマス発電用の丸太
留萌では曲がった木も多い

そのため、製材工場で使う丸太原料をつくろうとしても、曲がりがキツくてなかなかできません。

粉砕するのでまっすぐな丸太でなくても良い製紙原料や、バイオマス発電用の丸太の出材比率が高くなってしまい全体の単価も低くなります。

平均単価が下がることによって山林から出る丸太の売上が下がると、山林の価値が低下します。

人工林の放置はできない

人工林の放置が土砂災害を引き起こしやすくなるのは、広く知られているとおりです。

間伐、主伐、植付と人工林の生育の流れを止めるわけにはいきません。

こうした立木生育環境の厳しい地域こそ、無駄な作業や動きを抑えて効率的な造材作業が求められています。

養殖漁業の成長のためにも…

海岸線の価値が低いといわれる山林も、海の環境に大きな影響を及ぼしているといわれてます。
注目される養殖魚業に欠かせない森林育成

海岸線の価値が低いといわれる山林も、海の環境に大きな影響を及ぼしているといわれてます。

漁業復活のために山林育成をする動きが加速してきており、最近は留萌海岸部でも”群来”と呼ばれるニシンの産卵が見られ、漁獲高もわずかですが上がってきています。

稚魚放流の努力の結果と思われますが、海の自然環境を守るためには、河川を通じて流れ込む栄養をはぐくむ山林育成が必要です。

養殖漁業に欠かせない森林育成

近年は「獲って終わり」の漁業から「育てる漁業」の取り組みが注目されてます。

大自然がある北海道においてもサンマや秋サケの不漁は大きな問題です。

世界的にもこれからの漁業は放流や養殖中心となることが予想され、海の環境を育てていくためにも河畔林や海岸線の山林育成は欠かせません。

海に近い林業がすべき仕事

海に近い山林は木の高さがのびにくく生産量に限界があるとされ、広い北海道では生産性が低いとされてます。

木材業界から見ると一見、不要に見える「海」ですが、近年のSDGsの自然環境に配慮する活動に森林育成は欠かせません。

ヤマの環境が良くなれば、海の育成につながるという考え方は古くから言い伝えられてました。

漁獲量の不調は山林の環境を調べることになり、その結果、山林の育成に取り組む結果となるでしょう。

見直される海運ルート

留萌港は日本海側の本州の工場へ木材を運ぶための海運拠点
留萌港に積まれてるトドマツ丸太

さらに木材は重量に比べて単価が安い資源のため、物流コストを真剣に考える必要があります。

これまで留萌港はロシア木材などの「輸入木材のため…」とされてきました。

しかし、現在は道北地方の木材丸太を、日本海側の本州の工場へ搬出するための海運拠点となりつつあります。

留萌地方は製材工場が少ないので、「丸太を生産する必要はない」といわれることもありましたが、意外にも海運で運ばれて本州で丸太が使われていることも紹介しておきます。

木を伐ってはいけない?積極的に使う?

タイトルとURLをコピーしました