利上げは国内林業にどんな影響が…?

国内の林業に日銀政策金利引き上げは関係あるのか?

日銀が金融緩和を縮小して、事実上の利上げが話題です。

景気が悪くなるんじゃない?

企業融資や住宅ローンの金利負担がキツくなるよね…。

国内林業にはあまり関係ないような感じがしますよね。

実はすごく関係していて、林業関係者も考えておかなければならない事がたくさんありそうです。

林業で生産されるのは木材です。

利上げはマクロ経済に影響がでます。

幅広い産業で使われる木材流通で変化がおきる可能性があります。

林業に政策金利の引き上げなんて関係なさそうですが、細かく見ていくと関係ありです…。

日銀が政策金利を上げると、林業にどんな影響があるのか、整理しておきたいと思います。

利上げで困る事

これまでは金融緩和が続き、金融政策としては異常な状態と言われ続けてきました。

いつかは金利が引き上げられると皆思っていましたが、やはり厳しい局面を迎えそうです。

利上げは経済全体の景気を冷ます

政策金利引き上げで倒産増加もあり得る

政策金利が上昇するとマネーが日本円に集まってくるので、為替が円高になりやすいと言われます。

円高は輸入品が安価になり、国内の生産品には不利です。

不景気になると消費者の消費マインドが下がることでモノが売れなくなります。

需要よりも供給が上回るとデフレになりやすく、経済に良いと言われる緩やかなインフレが困難になります。

不況になると木材に限らず、多くの企業業績が悪化します。

建築件数に影響を受ける木材需要

建築では工法に限らずあらゆるところで木材が使われる

木材需要は建築業界とのつながりが強いです。

木造建物の材料にはもちろん木材を使いますよね。

鉄筋コンクリート造りでも型枠や仮設資材で大量の木材を消費します。

住宅ローン金利が上がると新築件数が減ります。

同じようにローンを組む中古住宅も売れなくなります。

リフォームでもローンを使う方が多いです。

ここでも利上げされると慎重になり、件数が減ることになります。

結果的に木材建築資材は販売不振になります。

物流が減ると木材不要に…

注文が入らないと木材在庫が積み上がる

不況になり商品が売れなくなると物流量が減ります。

あらゆる工場が生産を減らし商品の輸送量を減らします。

物流にはフォークリフトで使うパレットや梱包材が大量に使われています。

物流量が減るとそれらは使われなくなり、入れ替えや補修での注文が減ります。

自動車や産業機械、食料品や生活関連品など、あらゆる商品物流で木材が使われています。

利上げで不況になると、それらの物流資材注文が敏感に反応して売れなくなります。

木材業者も不景気の見通しが確実になると、工場や立木の在庫を減らします。

経営悪化を防ぐため、製材工場は原材料や完成品在庫を減らす行動にでます。

資金繰りに不安があれば現金化を急ぐあまり、投げ売りになることもあります。

設備投資できないと生産性低下も

利上げは金融引き締め効果があります。

企業に潤沢に資金がある時と違い、その環境が長引くと設備投資や研究開発に資金をまわせません。

生産現場や工場では設備投資ができずに、生産性が上がらなくなります。

資金が足りないと設備の補修や修繕を先送りしたりしなければなりません。

将来への投資を減らす行動は、長期的に見てコストアップにつながる可能性があります。

利上げで良いことはあるのか?

貯金に利息が付くのはうれしいですね。

経済全体でみると金利が上がると負担も増えそうです。

でも、政策金利引き上げで林業に何か良いことがおきないか考えてみましょう。

原油安で生産コスト低下

動力に軽油やガソリンを使うので原油安は恩恵も

円安になると資源価格高騰で、何もかも価格が上がって困りました…。

円高になると原油安になりやすいので生産コストが下がります。

原油価格は生産現場のコスト面で大きなウェイトを占めます。

円高で資源価格が下がると、生産物流コストが下がるでしょう。

人手不足の解消にも

林業現場では長く慢性的に人手不足です。

同じように物流のトラックドライバーや介護なども人手不足が深刻です。

利上げが発端で景気抑制圧力がかかり需要が抑えられると、供給も抑えないとなりません。

仕事量が適正になり人手不足の解消につながる可能性があります。

本当に必要な仕事に人手が流れていくのが自然な経済状況です。

ゾンビ企業が淘汰され人の流動も

林業会社の経営が厳しくなるとコストを見直されます。

ムリやムダが見直され生産性が高いことに変化するチャンスです。

経営悪化したゾンビ企業は淘汰され、人員の移動が促進されます。

しかし、ブラック林業会社が淘汰される保証はありません。

人員移動が促進され、ブラック企業から移ってくる人が増えると良いのですが…。

商品現物の林業は紙くずにはならない

利上げの影響を受けてのリセッション(不景気)入りが心配されてます。

リーマンショックのような世界同時株価急落は避けてほしいものです。

国内林業が巻き込まれないのでしょうか?

あくまで現物取引の国内林業

林業会社は木材という現物商品を扱う会社です。

近年好調な資源ビジネスと言えるかもしれません。

基本的に現物だけなのでリスクはマネジメントできてると言えるでしょう。

信用取引のようにレバレッジをかけている商品ではないのです。

証券化したり先物ではなく、あくまでも木材丸太現物取引なのです。

円高は怖い

ただし、国内林業に追い風なのは円安です。

円高になると国内木材需要が弱くなり、さらに輸入外国産材の価格が安価になります。

丸太という現物商品ですが、国内林業は意外にも為替や好不況の影響を受けるのは確かです。

供給過多どころか不足が続く

ウッドショックの時に在庫がなくなり供給が追い付かなかった。

国内林業は最近20年ほどで企業数や従事者が減り続けてきました。

ウッドショックで目の当たりにしたように、木材が高値になっても供給が追いつきません。

数量限定の販売や在庫切れ、入荷がいつになるかわからない状況が続きましたよね…。

経済が急下降する時は供給過多になっていることが多いです。

国内林業が生産する木材丸太は、決して劇的に増産されたわけではありません。

国産材に関しては暴落を引き起こすような供給過多ではないのです。

生活に密着する林業

国内林業は地味ではありますが、生活物資に欠かせないものを生産してます。

建築資材は新築だけでなくリフォームや増改築にも使われます。

発電資源として注目されるバイオマス発電では、建築材にならない素材丸太も枝条まで余すところなく使われてます。

それらは消費者が生活していく上で欠かせないものです。

意外にも国内林業の生産物は皆さんの生活に身近なのです。

まとめ

供給力が弱い国内林業

日銀が利上げする理由など、マクロ経済のことで私にはわかりません…。

ただ、過去の歴史を見てみると、利上げ後には需要が冷え込みます。

そういう意味では、利上げというのは需要を下げるための装置ともいえます。

木材業界では、数年前に起きたウッドショックが記憶に新しいところです。

確かに、部分的には木材販売で活況を示してましたが、反面、国産木材の供給力の弱さを見た気がしませんか?

ホームセンターに行っても在庫量がなくて、困ったことが記憶に新しいと思います。

外国産木材品が入って来なくなると、国産木材品の供給で全てを賄うことができません。

必要な仕事にシフトするなら利上げも

必要な仕事に人の移動がスムーズにいけば…

不景気に入ると販売に苦労することで、痛みを経験することになります。

さまざまな産業でリストラがはじまり失業率が上昇するでしょう。

しかし、人材の移動は悪いことばかりではありません。

デジタル化やビジネス環境変化により、一定の労働力の移動が必要です。

もしかしたら人手不足問題が解消する可能性もあります。

生産性が上がれば賃上げの可能性もあり得ます。

長期で見れば利上げは悪いことばかりではないのかもしれません。

国内林業の供給力と人手不足、それを考えきっかけになると良いのですが…。

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