林業造材の仕事とは?

林業造材の仕事とは?

杣夫(そまふ)とは林業従事者のことを指し、杣人(そまびと)とも呼ばれます。

同じ意味の林業従事者で「きこり」の方がよく使われていて、一般的になじみがあるのではないでしょうか。

木を伐りだし丸太に加工する作業を「造材」と呼びます。

林業の造材作業とはどんな仕事なのでしょうか?

林業造材の仕事内容

造材とは立木の状態から運搬しやすくするために丸太に加工する作業

立木の状態から運搬しやすくするために丸太に加工するのが造材です。

造材はどんな仕事内容に枝分かれしているのでしょうか?

立木を伐り倒す人

立木を伐り倒す林業従事者を山子(やまご)といわれます。
引用:http://www.cvs-odyssey.jp/systems/

立木を伐って倒すことを「伐倒(ばっとう)」と言います。

それを専門にする林業従事者は「山子(やまご)」と呼ばれています。

かなり古いゲーム”きこりの与作”のイメージ通り、ノコギリで立木を伐り倒すのが仕事です。

伐倒作業はご想像のとおり立木を倒す時に危険が伴うので経験や安全技術が必要です。

災害が最も多い「かかり木」

林業重大災害で最も多い原因の一つの「かかり木」
危険な「かかり木」

林業重大災害で最も多い原因の一つの「かかり木」は、この伐倒作業が関連しています。

林業伐倒作業は死亡事故が多く、かかり木の処理方法について必ず安全講習があります。

高性能林業機械により伐倒作業も機械力の範囲が広がりましたが、地形や現場状況によっては重機が入れない箇所も多くあり人力での伐倒作業が必要です。

倒した樹木を集めて運ぶ

倒した立木を一本ずつ集めて集積箇所に運ぶことを集材と言います。
倒した木を運ぶブルドーザー集材

立木を倒した後はトラック搬出のために丸太を積み上げておく場所に運ばなくてはなりません。

うまく伐倒してもそれなりに山腹に散らばります。

それらを一本ずつ集めて、丸太の集積箇所に運ぶことを集材と言います。

運ぶといっても立木一本で1t以上の重量があります。

山林の地形や土質など条件はさまざまで、傾斜地での作業は危険が伴います。

集材は造材に要する時間の決め手になるほど要点の作業です。

作業に着手する前に安全で効率よく計画をたてることが重要です。

採材とは、丸太長さを揃える

トラックに積込みしやすいように丸太を積み上げる
集積所の土場

トラックに積み込む丸太集積所に運ばれてきた一本の木を製材工場などからオーダーされた長さに伐り揃える仕事を採材といいます。

オーダーは太さや長さ、節や曲がりなどの品質も指定されます。

太さ長さ、品質により丸太の価格単価が決められてますので、「一本の木からどのような丸太にするのか」の採材技術で山林全体の価値が変わります。

積込みと発送

トラックに効率よく積込みしやすいように丸太を積み上げるのも造材作業

搬出するトラックに効率よく積込みしやすいように丸太を積み上げるのも大切な仕事です。

丸太集積方法が適切でないと陰になって死角ができたり、無駄な動きが発生し危険性が高まります。

発送時には作業員が丸太本数を計測しています。

重機で轢かれたり巻き込まれる事故が多いのも丸太集積所です。

トラックの動きを想像し早く安全に積込みして、発送することが土場で求められます。

林業造材の昨今

林業造材の仕事は、古くから人力や馬を使った作業が中心で、今も肉体労働のイメージが強く残っています。
機械力以前は”馬”

造材は古くから人力や馬を使った作業が中心で、今も過酷な肉体労働のイメージが強く残っています。

機械化は数十年前からすすめられてきましたが、この十年ほどで高性能機械が急速に普及し始めてます。

昔は現場に行くことすら大変…

40年以上前は造材現場の山奥へ行くまでの道路が未整備でした。

公共道路も舗装が少ない時代で、林道では雨が降るとたちまち水たまりや路肩決壊が当たり前でした。

自宅から現場までは数時間かかることも多く毎日帰宅していられないので、現場で寝泊まりする”飯場(はんば)”というものを設けて林業造材作業に当たっていました。

大きな現場だと3ヶ月や半年もヤマにこもることもあり、作業員は一年中ほとんど自宅に戻らずヤマで過ごす人も多かったのです。

高度経済成長により丸太量が求められる時代でした。

今より外国産木材の脅威がなく高単価で多量に木材需要があり、豊富な人的労働力があったことも飯場方式をとる要因でした。

投資された山林道路

林道整備され植林されている
林道整備され植林されている

現在は国道などの生活道路が整備され、林道でも乗用車で行ける山林もたくさんあります。

林道にはこれまで多額の投資が行われ、林道整備や治山工事に多くの資本が投入されたことで昔よりも早く安全に山奥まで行けるようになりました。

よく見ると古くに使用された林道作業道が点在し、整備すれば十分に使うことができます。

過去に山林に投入された資本は決して無駄にならず、立木や林道となって今も残っています。

林業高性能機械で工程が変わった

今の林業造材作業のほとんどが機械、重機操作がメインで肉体を酷使する労働ではありません。
林業高性能機械

現在の造材は、ほとんどが機械や重機操作がメインで肉体を酷使する労働ではありません。

林業高性能機械といわれるハーベスタ(木を伐る)やグラップル(木をつかむ)重機が一般的に使われています。

十年前なら木の長短をそろえる玉切りと枝払いは、チェーンソーを持った人力の作業でした。

ハーベスタなら枝払いして正確な寸法で玉切りもできます。

私はチェーンソーでの玉切り専門でしたが今はその作業自体がありません。

機械化により作業工程も変わりはじめました。

高性能な能力を引き出す計画

地形が険しい日本国内の山林では、作業のすべてを重機機械化することは不可能です。

重機が入れない条件の地形もあり、マンパワーが必要な現場もたくさんあります。

無理に重機を投入しようと試みて、かえって時間や費用がかかる失敗例もあります。

一方で建設工事の重機と比較して林業高性能機械はボタン数が多く、オペレータは慣れるまで操作がとても難しいです。

オペレーターを育成するためには多くの時間がかかります。

最新機械の性能を引き出すために、調査で現場状況を把握して最適な計画をたてる能力が林業造材業者に問われてます。

林業造材の見通し

山林内の間伐を効率よく進めたり、安全に伐りだす造材技術は必ず必要になります。
間引きとなる間伐

これからの林業は温暖化対策や環境重視で、造林と呼ばれる木を植えることや育てる事が重視されるでしょう。

木を植えて育てる上で間引きとなる間伐作業が必要です。

伐りだされる細い間伐材を有効な丸太資源として大切に使っていくことも大事です。

全部を伐る皆伐より間伐は残す立木もあるので作業性は非効率です。

間伐では効率よく安全に伐りだす造材技術が求められます。

伐採というと自然破壊がイメージされますが、立木から丸太を作る造材の仕事は山林資源を有効利用していく上で今後も必ず必要な仕事になるでしょう。

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